拝啓、友人のドンちゃんへ
昨日は素敵な時間をありがとう。
あなたに会うのは久しぶりで、実を言うと、とても緊張しながら待ち合わせ場所に向かいました。
先に待ち合わせ場所にいたあなたは特に緊張する様子もなく、いたって普通のあなたでした。私にはそれがこの上なく嬉しかった。
ランチのお店を決めて歩いていた私たちは何気ない会話を続けました。
そしてあなたは
「離れ離れになる前に、こんな感じで会いたかった人達に会えているから嬉しい」
こんな言葉を口にしていました。
うぬぼれかもしれないですが、その言葉の中に私が含まれているのかと思うと、嬉しさがこみ上げました。口にはしてないけど。
店に着いてからは、会えていなかったこの数年間の話をたくさん聞くことができて、私は共に過ごした昔を思い出し、懐かしい気持ちになりました。
私が理想としていた学生生活の情景が言葉によって映し出されたものですから、聞き入ってしまいました。
傷心中にもかかわらず、愉快な話もしてくれました。
少し迷惑だったでしょうか?
ランチでは、人生史に残るような出来事を経験しました。
できればこの先も覚えておいてもらえると助かります。
その時について少し書き残しておきたいことがあります。
私はこのようなことを経験する日はきっと多くはないだろうと思い、写真を撮って、記録を残そうとしました。
しかし、私のスマートフォンは外套に入れていたこともあり、すぐに取り出せませんでした。それに加えて、動揺していたこともあり、言葉を介さずジェスチャーであなたのスマートフォンを要求しました。
あなたは咄嗟にスマートフォンを取り出してくれて、無事記録を残すことができました。
あなたとは、かつてこのようなやり取りをしたことはなく、それでいて、数年間も会っていなかったのにも関わらず、私の意図をくみ取ってくれました。
その時、目の前で起きていたことは、私の中で人生史に残ることだったのにもかかわらず、なぜかノスタルジックな気分にさせました。
その後の所作もスムーズだったと記憶しています。
会っていなかった歳月が設けられていて、それでいてこの時期に会えたことに意味を見出したくなりました。
数年間の余白が無ければ得られた思い出は多かったと思いながらも、この余白が経験したことのない気分にさせているのであれば、後悔はそれほど大きくはないです。
もう少し書きたいこともありますが、これぐらいがちょうどいいと思うのです。
また少しの期間会えなくなるとは思いますが、輝かしい社会人生活になるよう応援しています。
次の機会がそう遠くならないことを期待して、
{おしまい}
いつも読んでいただきありがとうございます。