「おひとり様」でいることの利点欠点
おそらく多くの人が考えて発信している「おひとり様」という題について、先日考えさせられることがあった。
今回の題名、正しくは「おひとり様でいることの限界」である。
舞台(本記事)背景
名古屋旅行での楽しみが3つあった。
1つは「梅丘寿司の美登利」に行くこと。
2つ目が日本で1番冷たい水風呂がある「ウェルビー栄」に行くこと。
サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄(名古屋) | wellbe
そして、ひつまぶしを食べることだった。
限界を感じた瞬間
名古屋に旅行した時のことである。
この旅行で特に楽しみにしていたのが「梅丘寿司の美登利」で寿司を食べることだった。
人生初の1人寿司。
安価とはいえ、いつも(かなりの頻度で)行くくら寿司とは値段が全然違う。そして回転寿司でもない。
「回らないちょっといい寿司屋」には家族で何度か行ったことがある。しかし、自分1人で、となると話は別である。
初めての経験に胸が高鳴った。
入店
整理券を取ると呼ばれるまでまだ先だと思っていたが、順番がきて呼ばれてもその場にいない人は後回しにされるため30分も待たずに入店することができた。10組ぐらいは諦めたたのだろうか。名古屋駅直結のビルで列をなすその寿司屋では、自分ほど若い人が見つけることができなかった。
自分が一人であることを店員に伝え、カウンターに案内される。
隣のライバルを一瞥する。
左にはマダム2人組。
右には同じく「おひとり様」のクールなおじいちゃん。
緊張の入店儀式である。
声の大きな店員がせわしなくカウンターの向こう側でランチセットを作っている。
生魚の好みが偏っている私は、熱いお茶でのどを潤してから単品注文を敢行した。
─────義務遂行の単品注文である。
────マグロは赤い光を、
────私の目に投じ
────カツオのネタも燃えるように輝いている。
────私の口まではまだ間がある。
────私を待っているマグロがいるのだ。
ちなみに記念すべき1stオーダーはエンガワとタイでした。
とても美味しかったです。
くら寿司と比較すると、はじめは値段の差に少し戸惑いましたが、ネタの大きさと味が全然違います。
特にネタの大きさで幸福度が変わると思いました。
そりゃ人気出るわな。
感じた限界
それでもやはり感じたのが1人でいることの限界です。
恥ずかしいとかそういうことではなく、この美味しさ、この時間と空間を誰とも共有できないことに「おひとり様」の天井が見えました。
楽しさに限界があります。
自分が対峙しているモノに依存してしまっている。
もし外れた時のことを考えると恐ろしくて仕方ありません。
たしかにストレスは感じにくいのかもしれない。今回だって自分の好みのネタと量、ペースで注文することができた。
相手に気を使わなくていいというのが「おひとり様」の最大のメリットだろう。
旅行、カラオケ、食事……
趣味と呼ばれるもので「おひとり様」可能なんていくらでもある。
ただどこかで虚しさに襲われる。
たとえそれが"当たり"だったとしてもだ。
逆に"ハズレ"だったとしても、複数人いればそれは自分たち次第になる。
寿司をもぐもぐ食べながらそんな気がしてきた。
食べた感想や待ってる間の何気ない会話が、食事をよりおいしく、より楽しくするのだろう。
『「おひとり様」でいることによる楽しさの限界』
に気づいてしまったものの、あまりの美味しさについ食べ過ぎてしまった。
最後に炙りトロを口に運んで店を出る。
お会計は安かった。
{おしまい}
いつも読んでいただきありがとうございます。