城崎温泉のおすすめカフェを紹介したい
たまたま入ったこの店が、私の価値観を変えてしまったかもしれない。
城崎温泉にはこれまで7回ほど行っていますが、
温泉に入らなかったのはこれが初めてです。
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高校生時代の友人たちと中国地方をドライブしていた夏休み、帰阪前に城崎温泉に寄ることにした。
まだ暑い時期だったので温泉の前にカフェに入ろうということになった。
友人たちは喫煙者のため、喫煙可能なカフェをなんとなく選んで店に入る。
店内はいわゆる王道、素朴な喫茶店。
正直全く期待はしていなかった。
喫煙者の友人たちの吐いた煙を、私が吸うだけの時間だと思っていたからだ。
だが、予想を大きく裏切られた。
まず、こういった系統の喫茶店が初めてだったということもあるのだが、非常に時間がゆっくりと流れている。
温泉街の近所の常連が店主と何気ない会話をしているその時間、その空間が、とても、とても印象に残っている。
メニューを決め、友人は、トイレに向かう者や煙草を咥え始めた。
私は常連と店主の心地よい笑い声をBGMにこの空間を楽しんでいた。
非常にゆったりとした時間が流れている。
程なくして、トイレに行っている友人の頼んでいたトーストが運ばれてきた。
(↑トーストの画像)
私はそこで衝撃を受けた。
テーブルに着弾した瞬間、3つに切られたトーストがまるでゼリーのように揺れたのだ。
私はそんなトーストやパンを今まで見たことが無い。
高級食パンと無縁の人生だからかもしれないが、私には衝撃的だった。
何度でも口にしたい。
トーストが、ゼリーのように揺れたのだ。
トイレに向かった友人以外も馴染みあるトーストではなかったようで、私と同じように驚いていた。
─────おいしそうですね。
「ここの食パンは、持ち帰り用に事前に電話して遠方から買い求めに来る人もいるぐらい人気なのよ」
店主が常連の方と同じように気軽に接してくれた。
そんなことを言われたら、、、
トイレにいる友人が返ってくるまでの残りの時間までに味見をしてみよう、
と、3つのうち1つを手に取ってみんなでひと口づつ食べた。
トーストが、
食パンそのものが、
表面に塗られたバターに負けないぐらい美味しかった。
間違いなくこれまでのトーストで一番おいしかった。
パン本来の甘みとバターの香り、そして甘みが口の中いっぱいに広がった。
私の想像をはるかに上回る美味しさだった。
食欲をそそる衝撃的な見た目、
そして、その見た目を大幅に上回る味。
最高だった。
─────もう少し食べようか。
─────どうせなら…1つを丸々食べて、2つだったことにしようか。
誰かが面白い提案をする。
反対する者はいなかった。
しばらくして、トイレに籠っていた友人が戻ってきた。
皆その味を知っているが、
「美味しいらしいから、食べて感想を聞かせて」
と噓をついた。
何も知らない友人がおいしそうに食べているのを見て、隠し通せるかと思った。
だが…
「ごめんなさいねぇ。私がトーストの魅力語っちゃったから、あなた、1つ食べられてるのよぉ」
まさかの店主が告白をした。
そんなことあるのか。
バレちゃったので潔く皆で罪を認めた。
だが、驚いたことに、店主がお詫びのしるしにトウモロコシをサービスしてくれた。皿に盛られたトウモロコシは北海道産。トウモロコシの優しい甘みが口に広がった。
居心地の良さに思わず長居してしまった。
昼食後、すぐに入ったためドリンクしか頼まなかったのだが、次回は真っ先にトーストを注文しようと思う。
店を出た僕たちは、温泉に入る必要がないという結論に至り、帰阪した。
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実は、この旅行の1か月前にも城崎を訪れていた。
その時は但馬牛を堪能して、温泉に浸かり、城崎を満喫している。
今回は昼食を取って「ゆしま」でトーストを隠れて食べただけなのに、
「城崎を満喫した」
と自信を持って言うことができる。
「ゆしま」に行きたいがために、8回目の城崎温泉を企画したいぐらいである。
もともと私は、カフェに行くぐらいならお肉を食べたい派である。
だが、カフェも悪くないなと思うようになった。
それと同時にたまたま見つけたカフェが、旅の醍醐味を味わわせてくれた。
偶然が素敵な出会いに昇華することが旅の良さなのだろう。
この感情もまた記事にしたいと思う。
10月中旬から全国旅行支援がある。
全国旅行支援|延期が決定、実施はいつから?最新情報まとめ【JTB】
皆さんに素敵な旅の出会いがあることを。
{おしまい}
いつも読んでいただきありがとうございます。