天の川で川遊び
結論から先に言おう。奈良県は、僕が思っている150倍すごかった。そして奈良県を馬鹿にしていた過去の自分に説教がしたい。
8 月下旬の雨が降り続いていた近畿地方。旅行当日は晴れてほんと良かったと思う。連日のバイトで荷造りをしていなかったので30分間でリュック1つにとにかく詰めていった。いろいろあって前日の夜まで旅行グループはドタバタしていたが、なんとか予定通りに目的地めでのドライブが始まった。
僕は友達のマイカーで行くことになり、家の前まで来てくれた友達にお礼を言って乗り込む。このご時世で会うのは1年ぶりだ。久しぶりに対面での会話だから正直緊張していたが、そのブランク感じさせない車内だった。そうこうしているうちに別の友達の寮に到着した。この車では、3人で目的地に向かう。もう1人は用事が長引きそうなので夜に合流らしい。
夜のBBQが本番なので途中の道の駅でハンバーガーとジェラートを軽く食べた。ジェラート店のお姉さんと少し仲良くなった。オススメは桃らしい。一番減りが速かった。オススメと言われたら食べるしかないだろ、優しい味にほのかな甘みを感じた。
「モモをすりつぶしてぜいたくに使っている。」
という言葉通りの味だった。
そんなこんなしていいるうちに、いつの間にか山道に入った。左手にはきれいな川が広がっている。子供たちが遊んでいる様子がうかがえる。数日間の雨は気にならないくらい透き通っているのが遠くからでもわかる。清流とはこのことなのだろう。
そのまま川沿いを進むこと20分くらいで目的地に到着した。
「オートキャンプとちお」である。
車を降りると、待ち望んでいた夏という感じがする。湿度は低く、頭上にはセミが鳴いている。肌を焼く日差しが妙に心地よい。今から川遊びをしてBBQをすると思うと楽しみで仕方がなかった。そして今これを書いているだけでテンションが上がっている。
まず驚いたのが、川が緑なのに透き通っているということ。めちゃくちゃ深いのにものすごくきれいで川底まで見えた。実際濃い緑のところは3mほど。てきとーに服を着替えて下に降りる。体を慣らしながら~と言っていた友達を驚かすとバランスを崩して水にダイブしていた。その水しぶきがとても冷たい。山の水は冷たいとよく言うが冗談抜きで冷たかった。
周りには、家族連れで遊んでいるグループがいくつか。天の川のすごい所は、水の流れがない所だと思う。川の水がどっちに流れているかわからないほど流れがないので、子供たちも遊びたいように遊んで、それを遠くから大人が見守るというよりは野次馬のように見ていた。(笑)
飛び込みをして1時間ほど遊んだ頃、さすがに体温の低下にあらがえず撤退。午後2時のことである。
その後BBQの食料を調達しに街に向かった。片道1時間。酔う。
肉1kgと好きな野菜、ジュース、お米、炭を買ってまた1時間。酔う。
戻ったら炭に火をつけてBBQの準備をした、が、ダイソーの着火剤が無能すぎてなかなか思うようにいかなかった。今後はダイソーのジェルタイプを買わないようにする。
後ほど合流する予定だった友達も間に合いみんなでご飯を食べる。この時間がたまらなく好きだ。外で風を感じながら食べる炭火の肉は本当に美味しい。産地とか、部位とか、そういう細かいことを気にすることなく豪快に食べるのがBBQだ。残念ながら日が沈んで川は見えなかったが。
そんな感じで飯食って3分100円のシャワー行って、(シャンプーなどは持参必須)友達の誕生日祝ってトランプして就寝。
早朝。山の朝は非常に寒く、5時に目が覚めてから寒すぎてだめだった。
懐かしいよみがえる記憶。寝るということが不可能な寒さに襲われた。8月だぞ?残っていた炭に火をつけ暖を取りつつ、ご飯とウインナー、菓子パンで腹を満たす。キャンプによくある丁寧な暮らしとは?そんなものは俺たちにはなかった。
朝の9時、まだ誰も川にいない時間帯から水に入る。一気に肩まで入ると「冷たい」というよりも「痛い」という感覚が全身を襲う。
呼吸が浅くなる。
思わず楽しくて叫んでしまった。浮身を取って耳を水の中に入れる。聴覚は水の中の世界に、視界は空と山と太陽と。また叫ぶ。
昨日飛び込んだところから今日も飛び込む。途中で大きなアブに何度も刺されたが楽しんだ。飛び込むところはせいぜい4mあるかないかくらいだが、着水ポイントが浅く、安全ではなかった。そして、夜に冷えた川の水に耐え切れず1時間で撤退。着替えていたらチェックアウトの時間になった。
来年も行く。それだけは決めている。若者が禁止エリアでBBQをして不法投棄をするもんだからテレビで取り上げられていたが、それがまた悪い方向に働かないことを祈る。来年は、みたらい渓谷に行こうと思う。そこはさらに楽しめそうだ。
久しぶりに運転もしなくてはならない。いいかげん慣れないとみんなに迷惑がかかるから。
はい。
炭に火がつかなかったり、寒かったり思い通りに行かないことを、あえて楽しめるようになれたのが良かったと思う。贅沢な環境だったり、至れり尽くせりの非日常もいいけれど、たまにはデジタル社会から離れて自然と一体になった方が自分らしくいられると思った。しつこいが、来年も行く。
唯一の不満点は、女性スタッフの態度がすこぶる悪い所。
レヴューにも書かれてあって、どんなもんかと思ったら、本当にひどすぎた。
{おしまい}
いつも読んでいただきありがとうございます。