【傑作】あだち充「H2」の考察と試読のススメ
はいどうもTENです。
とうとう読み終わりました。あだち充最高傑作と呼ばれる「H2」。個人的にこの作品はスポーツ漫画どころか全漫画の頂点であると考えています。今日はその「H2」についての考察と、どうしても読んでほしいのでその手順まで書ききりたいと思います。
嘘。
文字数的に多くなれば次に持ち越します。
それでは早速。
まずはどう読むか。
『サンデーうぇぶり』というアプリを入れてほしい。「H2」を無料でガンガン読めるからだ。そして完結してから20年以上経っているのにも関わらず、アプリ内の上位にランクインしているのだから「H2」は今でも根強い人気があると証明している。
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多分、「H2」は毎年夏が訪れたら読みたくなるような…そんな素晴らしい作品だと思う。だからこそとにかく媒体は問わないから読んでほしい。
あだち充の魅力とは
あだち充と言えば似たような顔で様々な作品を書いているが、どれも人気作になるほどのストーリーで構成されている。現在進行形で「MIX」が連載されているが、これもまた面白い。あだち充の作品を多く読んでいない人なら、おそらく「タッチ」が一番有名だと思うだろう。しかし、「H2」を推す声も少なくない。
あだち充と言えば先ほどの2作品、そして「MIX」「クロスゲーム」と野球を扱う漫画が人気である。(もちろん他も人気である。TENは未読ではあるが、友人はラフを推している。)なぜここまで人気であるかを考えた時、やはり野球をメインにしながら高校生男女の恋愛も丁寧に描かれているからだろう。そしてどちらも中途半端になっていないのが素晴らしい。
本題:「H2」の魅力とは
前章で4作品に共通する魅力を軽くではあるが、説明した。そしてこれから本題である「H2」の魅力について書いていく。実は「H2」と他作品を比較することで「H2」のすばらしさを伝えようとしたが、先ほど、何かを悪く言うことはダサいのではないかと思ったが故に絶対的な評価で「H2」のすばらしさを書いていく。
まず一つ挙げられるのは物語が美しく完結することだと思う。言語化しにくいが…ハッピーエンドというわけではなく、今後のことは読者の想像に任せ、良い所で話を終わらせている。少しネタバレをするとすれば、甲子園の決勝戦と彼らの将来は描かれていないのだ。比呂(主人公)あるいは「H2」、そしてあだち充にとって、決勝戦とはオマケでしかないのだ。数話前では将来についても言及しているだけに落胆する人がいるのかもしれないが、最後のコマを見て想像することも悪くない。いや、むしろいい。参考までに「タッチ」は甲子園での激闘が省略されている。これからも理解できるように、彼の作品は『物語のどこにピークがあるのか』がわかりやすい。
そして2個目が考察させる作品であるということ。「H2」は4人+1人(野田)がメインとなって物語が進む。彼らの表情、セリフは容易な言葉ではあるものの真意が伝わりにくいようになっている。したがって彼らのセリフや表情がどのような意味を持つのかを考えながら読む必要がある。突然だが、TENはサンデーうぇぶりで読み返している。なぜなら読者のコメントが各話ごとに寄せられており、TENはそこから理解を深めているからである。確実に言えることは、1度や2度では必ず「H2」のすべては理解できないということである。さらに個人的なことになるが、比呂が夜に宿舎を抜け出して朝まで帰ってこない場面がある。TENは朝まで比呂が帰ってこないだけの場面だと思っていたが、そうではなかった。野田という男は比呂を心配してずっと起きていたのだ。コメントがなければTENはこのようなさりげないシーンを見逃してしまっていた。加えて重要な場面であるところも何度か考察ブログを読んだが故にさらに理解を深めた次第である。いったい何回読めばそこまでの深く理解ができるんだ…。例えばスライダーが曲がらない場面。なぜかスライダーのサインをピッチャーから出したのにもかかわらず、投げたのは───ストレートであった。(個人的な考察をいまここで書くのか、それとも次回に持ち越すのか…次回だな。今回は魅力だけにしよーっと!!)
この物語最大の魅力と言っても過言ではない3つ目の魅力は物語の恋愛部分があまりにも切ないからである。「H2」にはヒーローが2人とヒロインが2人登場するのだが、比呂(ヒーロー)の初恋が遅れたことがこの物語を複雑に、そして切なくしている。
この場面にあたる考察も次回するのだが、野田は辛いのだ(おい、笑えや)。初恋を終わらせるために戦う比呂を見ていると本当に切なかった。ここでもう1度「H2」と「タッチ」の比較を行う。ネタバレになるが仕方がない。少しだけだ。「H2」は付き合えないことを再確認する物語である。そして「タッチ」はお互いの愛を再確認する物語なのである。切なくなるのは必然だが、ラストはさわやかな雰囲気で(美しく)終わらせているから本当に素晴らしい。
まとめ
前章では、
- 美しく(爽やかに)終わらせていて
- 深い考察が必要で
- 切ない
ということを説明した。
TENが思うに、この作品は涙を流すというよりは鳥肌を立たせに来ている作品だと思う。加えて憶測だが、感動させる話を作るよりも鳥肌を立たせる方が難しいと思っている。もちろん泣かせる漫画が悪いと言っているわけではない。誤解のなきよう。
TENは「H2」を読んでいると明らかに他の漫画以上に鳥肌が立つ。そして息抜きのように出てくるギャグ。すべてのバランスが取れた本当に素晴らしい漫画だと思う。野球も恋愛もふんだんに盛り込んでいるのにもかかわらず、ダラダラとしていない話の展開。これが傑作と呼ぶにふさわしい漫画なのだろう。ぜひ一読願いたい。
{おしまい}
{考察は次回}
いつも読んでいただきありがとうございます。