TENの考察日記

楽しく書いてるので気楽に読んでね。

【考察】『風立ちぬ』のレビュー

はいどうもTENです。

 

毎日更新しようとしていた英語の勉強記録、やることなんていつも一緒なんだからだり~と思っていたら更新頻度が下がってしまいました。今日か明日にはすべて報告します。

 

というわけで今日はジブリの『風立ちぬ』について。

書こうかな。

 

 

はじめに

 昨日たまたま『風立ちぬ』の感想をニュースサイトで読んで、この作品が賛否両論であったことを知りました。えぇ~! TEN的にはどう考えてもジブリの傑作だと思っていたのですが。。。

 とにもかくにも、ちゃんと理解していないまま批判している人がいるので、その反論をしたいと思います。

 

 いやしかし待てよ、と思いちゃんと書いてそうなブログをざっとではありますが色々読んでみました。中には飛躍しすぎた解釈を持って『風立ちぬ』を評価しているものもあり、楽しく読むことができました。

しかし、”ガチ”で書いている人たちは「わからない」や「むずかしい」という風に書き進めているんです。賛否両論になると予想した人たちにとっては、どう感想を書いていいかわからないそうです。どちらの意見も正しく、どちらのサイドに立つか決めかねていました。なるほどなるほど、これが無知の知ですか…わかる人だけがわかるわからないことね。。。うらやましい。

 

 

(むしろ読者にゆだねていたかも)かなり深い考察で。

 

 

(つまり考察を提示して、あとは皆さんが決めてくださいと書いている)

 

 

 

 

 

 

 

凡人はそんな風には書けないので自分なりに書きます。

 

 

 

問題提示

 ちなみに『風立ちぬ』に低い評価を下した人たちの中には

  • 主人公の声優が変
  • 女性軽視
  • 恋愛要素を入れるな
  • 戦争賛美

などが散見されます。

これまた、ちなみに、映画観てをどう思うかは個人の自由です。批判してもいいです。ですが、ちゃんと映画を理解してからじゃないと、クレジットに連ねる人たちに失礼かと思います。

 

 

ununkown.hatenablog.com

 

 

 

 

では簡単なものから順に意見を書いていきます。

 

 

 

 

戦争?

大事なのはこの映画は戦争を美化したものでも、平和を願うものでもないということ。

 主人公の生きる時代にはたしかに戦中です。詳しく言及されていませんが、WWⅡのころだと思われます。

TEN自身『風立ちぬ』では、どの場面が戦争賛美にあたるのかいまいちわかりませんが、戦闘機を作る主人公(二郎)の生きざまと、菜穂子(妻)が最後のシーンで二郎のそれを肯定するところだと仮定します。同様にTENは反戦映画と言われる場面がどこかわかりません。どこ?

 戦争賛美に関しては、金もらって書いてる人が意味不明なこと書いてて笑いました。全く脈絡のないところからいきなり「戦争賛美の問題作だ!」などと主張するからおかしいおかしい。

 

 

 

 本題に戻ります。

TENの考えでは、この映画は「二郎の人生の中に戦争があっただけ」なんです。「戦闘機を作りながら戦時中を生きぬく二郎」ではないのです。もちろん戦争に振り回される描写は存在します。ですが、二郎本人は美しい飛行機を作りたいだけ。二郎は自分の人生を飛行機を作ることに捧げました。そしてそこに戦争があったから二郎の飛行機は戦争の道具となっただけです。時代がそうさせただけ。

序盤の夢か現実かすぐにはわからない場面で二郎が戦闘機に乗っていたら…話は別です。

 夢の中で「飛行機は呪われた夢」と言及されていますが、二郎はそれでも作りたいと固い決意を見せています。二郎からしたら戦争なんてどうでもいいんですよ。ただ美しいものが作りたいという思いを叶えられるものが飛行機だっただけ。

 そして最後に菜穂子が二郎を肯定する場面、自分が設計した飛行機で多くの人を死なせてしまったと落ち込む彼に優しい一言をかけます。「地獄だった」という彼を励ましただけなのにこれで戦争美化とは言えない。

美しいものを作ろうと人生を捧げた過程を肯定しているのである。

 

 この映画で反戦を唱えているシーンはマジでわからん。でも、戦争がなければ二郎はもっと…と思わずにはいられないです。たとえこの映画が反戦映画でなくとも。

 

 

恋愛と情熱

 突然ですが、二郎は菜穂子と付き合い、結婚することになります。

映画館でキスシーンを観た時、で友達3人で「ひゃ~!」となったことを今でも覚えています。うぶでした。懐かしい。

なのに、この映画に恋愛要素は不要だと?

その時の感情を否定された気分だ!!

風立ちぬの恋愛要素を省けだと~?ありえん!! 

 

 なぜ不要と唱える人がいるのかですが、彼らはおそらく戦争をもっと前面に出してほしかったのだと思います。

たしかに二郎が飛行機に捧げる情熱をより前面に出すには、作中でもっと戦争の描写が必要と考えるのも無理ないかもしれません。ですが、それでは二郎の人生を書いた物語ではなくなってくると思います。

先ほども書きましたが、あくまで二郎の人生に戦争があっただけなのです。さらに言えば、二郎の情熱は菜穂子を通して浮き彫りになってくるのです。結核で苦しむ菜穂子のために看病をするわけでもなく、仕事に打ち込みます。

決して愛していないわけではありません。美しい飛行機作りに情熱を注ぐことが当たり前(アイデンティティ)だった彼にとっての葛藤があります。妻の病気が深刻でもその手を止めないところに二戦争を前面に出すよりも二郎の怖さ、あるいは狂気が垣間見れると思います。 

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涙は流します

 二郎は決して倫理観のない主人公ではありません。しっかりと正義感を持ち、ぼこぼこにされる場面や、シベリアを渡そうとする場面もあります。

 

女性軽視

どこのこと?タバコ吸っているところ?

あれを観て「女性を蔑んだろ!w」とか思って書いているってこと?違うと思います。あれはただ仕事に集中しただけの描写です。そしてここで吸ってほしいと頼んだのは菜穂子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたけれど、どうやら結核の菜穂子のそばで煙草を吸うことではなく、二郎に対して完璧すぎる対応をする女性を描いたところがダメだったらしい。都合がよすぎるだとか。うーんこれ、『菜穂子』という作品で登場する菜穂子と似ているらしいので作中批判は違う気がするけれども、何か言うとすれば、狂気じみた二郎が好きな菜穂子も十分怖いですけどね。だって、震災の時に惚れてそこからずっと会っていないのに想い続けているなんて…

むしろ、それほど想っていたことを表現しているだけなのではないでしょうか、菜穂子に死期が迫っているホヤホヤの新婚ですし。

blog.freeex.jp

こちらのブログに詳しく書かれています。参考までに。

 

 

 

 

声優は宮崎監督チョイスです

 棒読みの方を求めていたのだと思います。自分は気になりませんでしたね。二郎の性格にマッチしていると思います飛行機を作ること以外には無頓着な彼、です。

 

 

さいごに

 ほんとにいい作品だと思います。ジブリではあまり馴染みのない大人向きの作品とされていますが、まぁ、別に読解力があれば大人でなくとも楽しめると思います。

 ちなみに読み漁った中(丸一日)でおそらく一番すごい考察は

gold-fish-press.com

こちらになります。これが一番だからといって完璧であるとは言えません。やはり人にはそれなりの思い込みがあると思うからです。(自分然り)

 自分は『風立ちぬ』とひこうき雲の主題歌がマッチしていてさらにいい作品になっていると思います。

 

www.youtube.com

 

ほんとに涙が流れてしまうほど美しい歌詞と歌声です。(まにこさんも本当にきれいな歌声で涙がでます。)

 

むしろここからが本題

 そろそろ疲れてきたので、『風立ちぬ』の何が素晴らしいのかを書いて終わりにしたいと思います。

 圧倒的画力はもちろんなのですが、物語の最終盤で「ありがとう」という言葉を涙ながらに菜穂子に伝えるシーンではないでしょうか。どこからどこまでをありがとうなのか、観た人の想像性が問われたところだと勝手に思っています。そして、それを考えていくうえで2人の仲介役と言える幾人かの重要性が再確認されていく一連の流れ、つまり、この映画を脳内で逆再生させたりいくつかの場面を振り返ったりすることがこの映画の特徴なのではないでしょうか。

 二郎が主人公でありながら、主人公がどのような人間かを周りの登場人物を通じて明らかにしていくこの過程に『風立ちぬ』の魅力が詰まっているのだと思います。

 

 

 要するに牛さんが何度も牧草を食べて戻して、戻して食べて…。

自分なりにかみ砕いてスッと腑に落とすことでより一層観た人にとっていい映画だと思わせるところではないでしょうか。そんなことを考えて書きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦後75年ですね。

 

 

 

 

 

 

 

{おしまい}

 

 

いつも読んでいただきありがとうございます。

 

 

 

 

あと、菜穂子の声が好きです。

 

 

 

ununkown.hatenablog.com

 

 

 

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