映画『アメイジングスパイダーマン2』は名作になるべきだ
どうもTENです。
今日は自分の中で不朽の名作になるであろう『アメイジングスパイダーマン2』についての記事を書きたいと思います。
スパイダーマンの映画はサムライミ版、アメスパ版、トムホ版、スパイダーバースとあります。その中でも『アメイジングスパイダーマン2』は製作費のわりに興行収入が低く、打ち切りになった作品でもあります。あと、リブート作品ゆえにかつてのスパイダーマンほど注目度が高いわけではなかったというのも大きい。
ありえない。
この気持ちを何年も抱いていましたが、今日ここで文字にしたいと思います。ぜひ一読ください。
『アメイジングスパイダーマン2』は観るべき映画なのだ
たしか、中学二年生ぐらいの時だったと思う。『アメイジングスパイダーマン2』をみんなで観に行った。そしてこれが、自分にとって初めてのスパイダーマン映画だったから期待しかなかった。
今でも鮮明に覚えているのは隣の友達が寝ていたことだ。事実だと認めたくなかったが、3D眼鏡をしてても顔が完全に上を向き、口が開いていたのだから100%寝ていた。ちょうどその時のスクリーンには恋愛のシーンが映されていた。そして、この映画のネガティブなコメントには恋愛シーンが長くてテンポが悪いと書かれているものがいくつか、少なからず・・・いや、多々・・・かなり、、ある。これがこの映画の人気が出なかった1つの要因であるのだ。ちなみに他のネガティブなコメントと言えばピーター・パーカー役がイケメンすぎるとか、ヒーローなのに守れていないとか、敵の扱いが雑すぎるとか。
君たちちゃんと映画観ていたのかと当時の自分は思った。そして今でも思う、ちゃんと映画を観てから感想を書いてほしい。ということで以下よりこの映画の面白さを書いていく。1度観た人はもう1度観てほしい。
『アメイジングスパイダーマン2』の面白さとは
監督はこの映画の構想を最後から逆算して作ったと後のインタビューで語っている。
この映画では
- 時間
- 落下
がテーマになっていると思う。(時間は監督が語っている。)印象的な時計台のシーン、そして時計の盤面から始まる映画。たしかに時間がテーマの映画だった。また、序盤の飛行機のシーン、スパイダーマン登場シーン、時計台のシーン...と重要な場面では落下が関係してくる映画だった。この時間と落下というテーマを念頭に置いて観てほしい。
第一の主題として過去に目を向けるピーターに対して、時間という不可逆的な概念が行く手を阻むが、周りの支えもあって前に進んでいく映画である。
そして、落下という表現を使って場面の切り替えを行っている。そこで一つ映画のギアが上がるようになっており、非常に精巧に作られた作品となっている。
そしてヒーロー映画としては珍しい「決して完璧ではない」あるいは「全員を救えるわけではない」ということを匂わせている。この映画でも、そして前作でもスパイダーマンは人々を救うことができるが、決して全員を救えているわけではなかった。誰かを死なせていることに文句を唱えている人がレビューで低評価にしているのだが、むしろ現実的なだと自分は思う。
「いやいや、さすがに都合よすぎでしょ」
と思わざるを得ない映画は数多く、興ざめする作品だっていくつか思いつくだろう。むしろこの映画では、登場人物の死を丁寧に描いていて非常に現実的である。
この映画は高校を卒業してから大学に入ってすぐのころを描いており、思春期の男女の恋愛が物語の中の軸の1つになっている。学生の恋愛というものは──学生である自分が言うのもどうかと思うが──色々複雑なのだ。何回も復縁する友達もいたし、わけのわからない理由でフラれた友達もいる。付き合ったとたん人が変わってしまった友達もいて、とにかく複雑なのだ。複雑な恋愛を映画に取り込んでいるのだからなかなか上手く行かないことがあるのに、グダっているという人たちは異性との関りが乏しかったのだろうかと思ってしまう。(悪口はいけません!)スパイダーマンはマスクを外せばただの学生なのが大前提なのに、いったい何を期待していたのか甚だ疑問である。監督も恋愛映画が得意な監督だから、学生時代のちょっと照れちゃうようなセリフやシーンとスパイダーマンの苦悩をうまく表現していたと思う。(何様)
さて、この映画の良さをつらつらと書いてきたが、何といっても胸が熱くなるシーンがある。最終盤のライノ(戦闘マシーンのサイ)との一戦である。序盤からコメディ要素を含んでいたが、だんだんとそれがシリアスな映画になっていった終点と言ってもいい。「アメスパ ラストシーン」とyoutubeで検索すれば見ることもできる。
このラスト、8年だってもいまだに自分の中で最高のシーンなのだが、なんでこんなにもときめくものがあるのだろうと考えた。
余韻が爽やかなんだと思う。
似たような終わり方に『H2』と『ラフ』がある。どちらもあだち充の作品だ。
上述の作品はどちらも結果を読者に委ねる形で終わりを迎えている。甲子園の決勝は書かないし、自由形の結果も書いていない。そういえば『タッチ』なんて、甲子園すら書いていない。物語の上でそれが必要ないからだ。アメスパ2も同様に、最後の決戦はもはや必要なかったのだ。(これに関してはスパイダーマンノーウェイホームの記事で詳しく書きたいと思う。)必要のないものを削いだからこそ『H2』や『ラフ』と同じ爽やかを感じてることができたのだと思う。
まとめ
冒頭にも書いたが、この映画は次回作を期待させるような終わり方をしたのにも関わらず、製作費の高さとと興行収入が予想を下回ったことが原因で打ち切りになってしまった作品だ。新作のトムホランド版も面白いのだが、何か物足りなさを感じてしまうのは自分だけだろうか。(ファーフロムホームは確かにおもしろかった。感動はしないが。)そういった点ではアメイジングスパイダーマン3を惜しむ人たちもかなりいる。レビューを書いている人たちがもっとちゃんと話を理解していたら続きがあったのだろうか、と考えるとなんだかやるせない気持ちになってしまう。
兎にも角にも2だけでも見てほしくて今日は記事を書いた。
{おしまい}
いつも読んでいただきありがとうございます。